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サマーキャンプ2023【前編】徹底議論への前哨戦

みなさん、こんにちは!
チーム愛媛 DX推進支援センター長の渡部久美子です。
今回は、8月に開催したサマーキャンプについてご紹介します!

チーム愛媛DXの「キャンプ」とは、各組織でDXに取り組む職員が集まり、ともに学習する場のことです。キャンプには二つの目的があります。

◾️ 広域でDXを推進するきっかけづくり
◾️ 自治体間で気軽に意見交換できる関係づくり

いかにも行政らしい研修というよりは、同じ釜の飯を食べて成長するキャンプのように、心理的安全性を高められるプログラムを企画しています。


チームで考え、チームで進もう。

愛媛県ではこれまで、知事と全20市町の首長による「県・市町DX協働宣言(2021年)」をもとに、さまざまな取り組みを進めてきました。

宣言の達成とさらなる発展を見据え、より具体的な行動指針が求められるフェーズとなった今、

  • チーム愛媛のDXはどのようなミッションやビジョンを描いていくのか

  • 2024年度の事業には何が必要で、どのような枠組みで取り組むべきか

このような視点での話し合いが、今回のキャンプには必要であると考えました。ただ、県と20市町が一日のキャンプで合意形成までたどり着くには、さすがに高いハードルがあります。

そこで、交流や議論から生まれるアイデアの端緒をつかみ、みんなで未来へ進むための土台づくりとなるようなプログラムを企画することになりました。

なお、前回のウインターキャンプと同様に「企画運営メンバー」を募集したところ、下記の6人が立候補してくださいました!

砥部町・菊池さん
大洲市・菊地さん
東温市・勇さん
久万高原町・窪田さん
上島町・元森さん
八幡浜市・堀口さん

チーム愛媛のDXを進めるにあたり、大切にしていることの一つに「再現・自走化できる仕組みづくり」があります。

ビジョンや課題の異なる自治体との協働・共創や、普段接する機会の少ない高度デジタル人材からの学びは、このチームにいるからこそ経験できることです。また、チームで得た知識や経験が異動などで途絶えてしまうと、DXの機運醸成は継続が難しくなってしまいます。

そのため、企画運営メンバーとして職員の方々に関わっていただくことで、

  • 自治体研修を内製化できる人材の育成

  • 組織・庁舎を超えたチームづくり

  • 人事異動に影響されない後継者の育成

これらへの繋ぎこみを意図し、キャンプという合同研修の場での経験が、各市町での再現や自走化といった価値が生まれることを期待して取り組みました。

*****

今回のプログラムは、【午前の部】から【午後の部】へと進むにつれ、より活発に意見交換できるように設計しています。

【午後の部】のワークショップでは、2024年度の事業計画にかかわる議論に踏み込みます。これまでの事業を振り返り、現場で得られた成果や課題など「本音」を出し合って次年度の枠組みを整理していかなければなりません。

ただ、初参加や初対面の方も多く、急に「意見交換してください」と言われても難しいものです。そこで「会話」「対話」を重視し、参加者の心理的安全性に注目したプログラムを企画しました。

【午前】のプログラムをご紹介!

午前の部は、次のような流れで進みます。

  • コミュニケーショントレーニング

  • 活動共有会

  • 自己紹介BINGO

①コミュニケーショントレーニング

最初のプログラムは、コミュニケーショントレーニングです。

一日がかり、一日かぎりのサマーキャンプ。生産性の高い、価値ある時間にするために、まず重要となるのが参加者自身の「きく姿勢」です。

「良き聞き手は、良き話し手」という言葉のように、コミュニケーションの原点は「きく」ことにあります。

つい「アイデアの多い人」や「面白く話せる人」ばかりに注目してしまいがちですが、対話の中で言葉を引き出しているのは、意外にも「聞き方」「聞き出し方」を知っている聞き手というケースが少なくありません。

「きく」とこの大切さを体感していただくため、今回は二人一組になってのコミュニケーショントレーニングを行いました。

②活動共有会

続いての活動共有会では、昨年度のウインターキャンプから今年度の半期まで取り組んだ活動の一部を共有しました。

まずはデータ利活用分野の下山専門官による、全市町全職員アンケート(速報)の報告です。

この調査は、DXへの職員の意識やスキルを把握するためのもので、設問は経済産業省の「DXリテラシー標準」に基づいて設計されています(66問)。

県・市町のすべての正規雇用職員(再任用・任期付きを含む)が対象で、このようなアンケートは全国初の取り組み(!)かもしれません。調査の目的や方法のほか、

  • 「愛媛県・市町DX協働宣言」の認知度

  •  「DX」とは何か自分の言葉で説明できる人の割合

など、結果の一部をピックアップしていただきました。

続いては、7月に実施した先進自治体(福島県会津地方)への合同視察報告です。

視察には県と5市町・推進会議・支援センターから計12人が参加し、下記の訪問先でお話を伺いました。

◾️ 磐梯町役場デジタル変革戦略室(磐梯町のデジタル変革戦略について)
◾️ 株式会社デザイニウム オフィス(スマートシティ AiCTの生み出す官民共創の取り組み)
◾️ SAP ジャパン株式会社(グローバル企業での視点での官民共創)
◾️ 福島県会津地方振興局企画商工部(地方振興局の取り組み)
◾️ 西会津町企画情報課(西会津町の取組み、CDO補佐官のシェア)

庁外と連携するための具体的な方策、企業誘致に向けた環境づくり、そして調整にあたっての葛藤や苦労など、それぞれの訪問先で多くの学びが得られました。

ほかにも「愛媛県庁におけるチャットGPTの試験導入」「コミュニティ醸成」についての発表がありました。あらためてnoteでご紹介できればと思います!

③自己紹介BINGO

午前の部を締めくくるのは、BINGO形式による自己紹介のワークショップです!

このBINGOには参加者の距離を一気に縮める効果があり、4月の推進会議でも実施しました。

③昼休憩も一緒に!

ここでお昼の休憩へと入るのですが、県と市町の職員が一堂に会するせっかくの機会です。午後のワークショップの形にテーブルを移動させ、グループでお弁当を食べながら交流を深めました。

カジュアルな自己紹介をしたり、面白エピソードを紹介したり。専門官も参加して、午後の部に向けて意見を交わしやすい雰囲気づくりを心がけました。

サマーキャンプ【後編】へと続きます

はじめは表情の固かった参加者の方々も、プログラムが進むに従って笑顔がこぼれ、肩の力を抜いてコミュニケーションする様子が見られるようになりました。

今回のようなキャンプで成果を出すには、リアルタイムの課題に対応する企画・心理的安定性の確保・プログラムの模索と実践…など、幾層にもわたるアプローチが必要です。また、参加者が経験を職場に持ち帰り、活躍し続けられるようなサポートも欠かせません。

この記事の内容が、まさに今DXに取り組んでいる方々のチームづくりや人材育成、他者との連携といった課題解決のヒントになれば嬉しいです。

これからも私たちは、県・20市町・推進会議からなる強力な「チームづくり」に挑戦していきます!

次回の記事では、キャンプ後半にあたる午後のプログラムをご紹介します!

🌻チーム愛媛DX推進支援センター長 渡部久美子


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