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”IYO WORK”を情シスメンバーで試してみた


みなさん、こんにちは!
高度デジタル人材シェアリング業務チーム愛媛DX推進支援センターセンター長の渡部久美子です。

今年度に入り、昨年度の取り組みから発展した研修企画「キャンプ」についての投稿をさせていただいておりますが、更に新しい取り組み「IYO WORK」を実施しましたので、ご紹介します!


今年度の高度デジタル人材シェアリング業務

まず、IYO WORKの背景となる業務についてのお話しをしたいと思います。

今年度の高度デジタル人材シェアリング業務における業務内容は、4つあります。

令和5年度の高度デジタル人材シェアリング業務の業務内容
1、市町の個別支援
✔️ 市町事業推進に対しての情報や知見提供
✔️ 相談事項に対しての助言・要件定義・課題解決策の提示
✔️ 市町ニーズを元にした訪問支援・認識共有・機運醸成

2、人材研修
✔️ 全職員向けの基礎研修プログラムの提供(60分以上/人)
✔️ 官民共創、デザイン思考の認識共有研修の開催(年4回予定)
✔️ 全市町・全職員アンケートの実施と分析

3、広域コミュニティの醸成
✔️ Teamsを活用したコミュニケーションの場作り
✔️ スキル習得とナレッジ共有・連携を意図した勉強会の開催
✔️ 共通課題の把握と解決を元にした個別支援の最適化

4、県庁内の関係事業との連携
✔️ 県・市町協働におけるデジタル戦略局との連携
✔️ チーム愛媛のDX推進における庁舎内関係課との連携

これら4つの業務のうちの3つ目、「広域コミュニティの醸成」の取り組みとして試行したIYO WORKをご紹介したいと思います!

そもそも、広域コミュニティの醸成って何?

広域コミュニティの醸成を一言で申し上げると、「いつでも、誰にでも相談できる仲間作りの機運を作り出す」という事です。

昨年度1年間、高度デジタル人材シェアリング業務を通して、県と20市町の方々の事業支援をしていく中で、優秀な職員の方々やスキルの高い職員の方々が愛媛県内にいらっしゃることを発見しました。

それと同時に、市町間や市町と県の間でのコミュニケーションの数や導線が少なく、部署や業務の特性によっては、個人に仕事が任されており、庁舎内に相談相手や協議する相手が不在であることも発見しました。

特に情報システム部門においては、「一人情シス」という言葉を耳にすることもあるかと思いますが、業務が個人に偏ってしまい、個人への負荷の増大や依存、属人化といった課題も散見されます。

これらの発見から、県と20市町連携を進めていく上での価値創出として、
県内の職員が、市町の枠組みを超えて繋がることにより、DXも含めた組織課題や事業推進の要となるのではないか?
という仮説を立て、その試行と検証を踏まえた「広域コミュニティ」を醸成することを決めました。

「情報システム部門」の広域コミュニティ醸成

そこで、まず、動き出しているのが、「情報システム部門」の広域コミュニティ醸成です!

昨年度末から、同じような相談を複数市町から受けていた情報システム分野の専門官(山形専門官)が、「せっかくなら悩みも解決方法もみんなでシェアしよう!」と主に、Teamsを活用したオンラインチャットベースでの情報交換をはじめたところからのスモールスタートです!

その後、
「職員向けの新人研修ってどうやってます?」
「Excelのマクロ問題って、どうやって解決してます?」
「ユーザー権限って、みなさんどうしてます?」
といった、普段の業務での悩みなどを質問し、各々の市町の運用や考えを伝え合う場を作りました。

そういったオンライン上でのやり取りから発展したのが、題して!!!IYO WORK!!!

IYO WORKとは?

IYO WORKとは・・・
愛媛県・市町職員が、パソコンやスマートフォン1つでどこでも働ける」ことをイメージしてネーミングをしてみました。
これは、昨年度開催したウィンターキャンプのワークショップの中で、職員の方々が発案された企画で、
職員が自分の庁舎だけでなく、愛媛県内どこの庁舎でも働けるような働き方をしたい。庁舎以外の場所も含めて働ける環境を作りたい」と発表があったのがきっかけです。

今回は、試行として、愛媛県庁・20市町の情報システム部門を担当する数名でリモートワークを経験し、良い点や改善点、課題点や今後の展開を協議する取り組みを行いました。


1、今回集まったメンバー
今回の第一回IYO WORKは、別々の県庁・市町から7名が松前町まさきちょう役場へ集まり、3名がオンライン参加の、合計10名でIYO WORKを実施しました。

トライヤル開催のメンバーを募るために
フライヤーを作成し、メンバー募集を実施しました

松前町まさきちょうDX推進係 戸井田さん
松前町まさきちょう情報システム担当課 青野さん、相原さん
・八幡浜市DX推進室 矢野さん
・西予市デジタル推進室 上甲さん
・久万高原町デジタル戦略班 西岡さん
・愛媛県庁デジタルシフト推進課 鎌倉さん
・システム&セキュリティ分野 山形専門官(北海道からオンライン)
・広報&マーケティング分野 藤田専門官(東京からオンライン)
・チーム愛媛DX推進支援センター長(福島からオンライン)

2、会場選定
Teams上でスレッドが100を超えるほどのやり取りを行った上で、以下の3つの理由により松前(まさき)町役場をテレワーク場所として選定しました。

・テレワーク環境が十分に整備されていない市町は、他の市町でのインフラ環境やPC、セキュリティ面についての課題解決方法などを実際に見たり、聞いたりしたみたいと考えている(集まって会話してみたい)

・既にテレワーク環境を整備している、もしくは整いつつある市町は、トライアルも兼ねて、庁舎外の場所で試行してみたいと考えている(移動してみたい)

・各々が集まりやすい日取り、立地、会場の空き状況(行きやすい場所でまずは挑戦!)

3、業務のやり方と様子
現地参加の市町職員は、インターネット環境に接続しているPCを持参し、各々の業務を行いました。
オンラインで接続してる専門官やセンター長も含めて、各々が無言で自分の仕事をしたり、聞きたいことがあるときは周りの方に質問を投げかけ、皆で会話をしたり、時折、場所を少し移動してオンライン会議をする方もいらっしゃいました。

松前町役場内のIYO WORK会場の様子です
オンラインで接続しているメンバーと会話したり
画面に資料を投影して相談等を行いました

そんな第一回IYO WORKについて、参加者の感想を集めましたのでご紹介させていただきます。

IYO WORK試行メンバーの感想

個人的な感想として、テレワークの「具体的な」活用方法の一つとしてこれはかなりアリだと思いました。
短い時間でしたが、他自治体職員と肩を並べて各自自分の仕事をしながら情報共有を図ったりコミュニケーションがとれる環境、これらは今までに得られなかった価値だと思いました。
そこで起きる一言の会話は隣にいないとなかなか生まれない。そこから何かが生まれることもある。
「テレワークは他者とのつながりをリアルにすることができる」という考えも出てきて、「テレワークは職場から離れて(一人で)業務をする」というイメージだけの人にテレワークの価値について気づきを与えることができるのではと思います。(今回で得られた知見は、うちの今後のテレワークの実装に向けた協議にも役立つと思います)

今回は会議室で肩を並べてのテレワークでしたが、これを業務フロア(他の職員の目の当たり)で行うとどういうリアクションが返ってくるだろう、すごい興味付けになるんじゃないか、と思いました。

テレワークと称して同業種?が肩を並べて仕事をすることで、他自治体の業務の仕方を見ることができたり、意見交換ができたり、プラス要素をたくさん生み出せそうな感触も得られました。

八幡浜には現在、テレワークの普及促進プロジェクトチームというものがあり、興味がある職員が研究しています。次回はそのチームメンバーにも参加してもらいたいなと思いました。

テレワークをやろうとしたときに、いざ何が問題になるのかも明確になった(ハード、ソフト面から小物類まで)と思います。

また、普段は電話や照会で表の回答しか得られないのですが、実際同じテーブルで話す中で、実情や本当の考え方などを聞くことができて、そうだよねーというように共感も得られました。

普段、庁舎内にはなかなか相談相手がいない、味方がいない中、非常に心強かったです。

良い考え方、取り組み方はみんなで共有して(実態も含めて)、みんなが良い仕事ができたらなと思いますね。

この取り組みは情シスだけでなく、他の担当もやったらすごく良いかと思います。また話している様子を見るだけでも、「あーここまで実情を話してもいいんだ」みたいな空気を感じてもらうだけでもすごく全体が良くなるかなと思います。

次は、別のメンバーも巻き込みたいなと思っています。

初めてのテレワークでしたが、やってみたからこそわかったこと(普段2画面でやってるが1画面だとすごくやりにくかったことや職場以外でやるのは気分転換になるし普段と違ったところに食べに行ける)こともありよい体験ができました。

ちょっと気になるけど電話やメールで聞くほどでもないや雑談みたいなことも話せるので、上甲さんと同じく他の担当でやってみるのもいいかなと思いました。(広報担当とかだと普段と違ったアイデアをもらえるのでいいかも?)

一緒の部屋にいる各市町メンバーは会話をしていて
Webで繋いでいる他メンバーは黙々と自分の仕事をしていました
時折、質問があったらミュートを外して話しかけました
仕事を一瞬止めて、記念写真
ハイ、チーズ✌️

今後の展開は、参加メンバーを広げつつ、テレワークを実施していない庁舎や職員に目立つ場所などを選定しながら試行していきたいと考えてますが、
「これから考えます!」が、正直な言葉です。

なぜならば、この取り組みは、OODAループ(「Observe(観察)」「Orient(状況判断、方向づけ)」「Decide(意思決定)」「Act(行動)」を繰り返すフレームワークです。)の流れを意識しているからです。
私たちは、小さな試行を繰り返しながら、「情報システム担当者にとって」「職員にとって」「チーム愛媛にとって」の価値の部分を各々で模索しながら価値を創出していきます。

「ぜひ一緒にやってみたい!」という方は、いつでもご連絡ください。一緒にIYO WORKをしてみましょう!

🌻チーム愛媛DX推進支援センター長 渡部久美子