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サマーキャンプ2023【後編】44人で業務を深掘り!

こんにちは!
チーム愛媛DX推進支援センター長の渡部久美子です。

今回は前回に引き続き、2023年度「チーム愛媛」DXサマーキャンプの中から【午後の部】の模様をダイジェストでご紹介します!

【前編・午前の部はこちら


午後の部の目的

午後の部の目的は、これまでチーム愛媛DXで取り組んだプロジェクトを振り返り、次年度への足がかりとなるアイデアを出し合うこと。愛媛県と20市町・総勢44人の職員が、KPT法にて課題を分析し、今後のDX推進について意見を交わしました。

 KPT法とは、「Keep・Problem・Try」の3ステップにより、今後取り組むべき課題を明確化する方法の一つです。

ワークショップでは【K】=Keep・【P】=Probrem・【T】=Tryのステップごとに、約60分のディスカッションと全体共有を重ねて議論を深めました。

【K】振り返りはポジティブに!

さっそく「K=Keep」のワークへと入ります。進行役は、センター長の私・渡部です。

「どんな進め方がベスト?」「積極的に発言してもらうには」…と2か月ほど前から企画運営メンバーと準備。初参加の方も話し掛けやすいよう、目印のねじり鉢巻きをしめていざスタートです。

【Keep】のワークではこれまでを振り返り、継続したい取り組みや評価したい点を一人ひとり付箋に書いて、各テーブルの模造紙に貼り付けていきます。

一番のポイントは、ポジティブな要素に注目すること!

付箋の色分けは①人材育成②コミュニティ③専門人材の活用④デジタルデバイド対策の4種類。5~6人のテーブルに分かれて記入していきます。

DXといえばトライ&エラーの連続で、苦労した記憶ほど印象に残りがちですが、ここは次年度に向けた「業務の洗い出し」の場です。

未来に向かって前向きに反省していくため、「役に立った」「喜んでもらえた」というプラス思考で振り返りました。一部をご紹介すると、

  • 専門家からネットワーク整備への意見をタイムリーにもらえて助かった

などの評価のほか、

  • Teamsの履歴をたどることで新任者も経緯を把握しやすく助かった

  • 視察で訪問した他の自治体の体制や熱意に触れて刺激を受けた

など、担当者だからこそ体感した視点も。各テーブルで20件ほどの意見がまとまったところで、次のワークへと移ります。

【P】客観的なファクトから課題を分析

続いては「P=Problem」

一人ひとりが業務に取り組む中で、気付きのあった課題を挙げて分析していきます。

ポイントは、課題とはいえ誰かを否定したり責任追及したりするのではなく、客観的な事実(=ファクト)に着目すること。

山積する課題を前に、どうしても重い雰囲気になりがち。あくまで「客観的な事実」に注目し、前向きな姿勢で反省していきます。

意見の一部をご紹介すると、

  • 専門官にどこまで相談してよいか分からなかった

  • 住民のニーズにばらつきがあり、公平性を確保するのに苦労した

など、初めてのプロジェクトで直面した課題がどんどんピックアップされていきました。

5人の専門官がテーブルを回って発言をアシスト。顔なじみの職員さんのみならず、新しく異動してきたばかりの職員さんにも、フラットにコミュニケーションをとっていきます。

抱え込んだ課題をみずからの言葉で打ち明けるのは、誰にとっても勇気が必要です。ため息や苦笑いを交えつつも、一つ、また一つと課題を共有できた背景には、これまでチームで積み重ねた信頼関係があるのだと思います。

企画運営メンバー同士のつながりも、今後の関係づくりの土台になればと意識してアシストした部分です。

自治体でDXを担当する職員の方々は、ときに庁内での連携が進まなかったり、複雑な業務に戸惑ったりしてしまうもの。そんな時こそ、組織の枠を超えて一緒に歩んで行ける「チーム愛媛DX」の存在を思い出して、ともに解決の糸口を見つけていただけたらと思います!

【T】今後やるべきことは具体的に!

さあ、最後のワーク「T=Try」です。

「Keep」と「Problem」を踏まえ、「今後どうするべきか」「どうすれば上手くいくのか」と考察していきます。

出てきたアイデアは付箋に書き出し、どのような枠組みで進めるのが理想的か、話し合って模造紙へ。

「T=Try」したいアイデアを「県と20市町連携で取り組む」「希望する自治体で取り組む」「市町が単独で取り組む」の3つに分けて整理していきます。

既存のテーマに収まりきらないものは白色の付箋に記し、ポジティブに評価した「K=Keep」についても、さらなる改善点を探っていきました。

実は、参加者の職位ごとにテーブルを振り分けていた今回のワークショップ。担当者から管理職まで、役職や業務担当が共通する方同士で膝を突き合わせ、意見を交わしました。

DX部署の管理職だからこそ提案できるアイデアも。デジタルリテラシー向上から他部署・他事業との連携まで、話題はあらゆる分野に及びます。

議論を尽くしたところで、各テーブルの意見をまとめて発表です。すべてをお伝えできないのが残念ですが、

  • 具体的な人材育成のスキーム

  • 効果的な専門官の活用方法

  • 他部署と協議する際の考え方

など、さまざまなアイデアが発表されました。

さまざまな自治体・さまざまな立場からの提案に対し、みなさん真剣に耳を傾けています。

県・市町から44人が集まり、今後の「チーム愛媛のDX」について意見を出し合ったワークショップはここで終了です。

4時間に迫る長丁場でしたが、

  • 他の市町の状況や考えを聞き、意見交換ができたことがよかった

  • 気軽に相談できる仲間ができた

など、嬉しい感想をたくさんいただきました。

注目の一コマ

ここまでご紹介しきれなかった注目のシーンをどうぞ。

「実は最近採用されたばかりで…」と伊方町の竹本さん(右から3人目)。「こういった方の感覚こそ参考になるはず」という前田専門官(左)のコメントに、みなさんから応援の拍手が送られていました。
「どんなシステムにも、使いにくさへの指摘はあるもので…」とかつての経験を打ち明ける菅原統括責任者。「最適」を模索し続ける大切さと、県と市町との「共創」で時代を切り開くことへの期待を語りました。
ワークショップの結果を「持ち帰って一つ一つ確認いたします!」と約束する県の髙瀨課長。「20市町と県、仲間として一緒に取り組みたい。よろしくお願いします」と力を込めました。

さいごに

今回のワークショップでは、チーム愛媛のDXを振り返り、2024年度に向けて

  • 誰が何をどう実行していくのが望ましいか

という視点で意見を出し合いました。

企画運営メンバーと。県と市町職員で想いを共有し、タッグを組み、発展的に次年度へとつなげるため、みんなで知恵を絞りました。全力で1日を終え、お祭り後のような達成感に包まれました!


私たちの熱意、そしてみんなで議論していくことの大切さが、このnoteを読んでくださった方々にも届けられると嬉しいです。

特に話し合いの中では、人材育成やDX推進への認識共有・機運醸成への難しさが挙げられていました。

これらの解決は、一度きりの研修で実現できるものではなく、地道かつ丁寧に積み上げて継続していくことが、チーム愛媛全体の発展と、個々の自治体における住民サービスへの価値創出に繋がると考えています。

後半の部の集合写真。 会を重ねるごとに、主体となるメンバーが変化してきました(センター長は、恒例の「横串」を意識した寝そべりポーズです)。

今回のサマーキャンプで築いた人間関係と信頼関係という糸を紡ぎ続け、更に大きな輪となるよう、私たちはチーム愛媛の「共創」を推進して参ります!

🌻チーム愛媛DX推進支援センター長 渡部久美子