20市町と向き合うオンラインヒアリング
みなさん、こんにちは!
高度デジタル人材シェアリング業務 チーム愛媛DX推進支援センター センター長の渡部久美子です。
今回の記事では、本事業の前期に取り組んだ「前期オンラインヒアリング」の目的や運営方法についてお話しします。
「市町単位」から、「業務単位」のヒアリングへ
前期オンラインヒアリングは、各市町の現状を把握し、チーム愛媛の構築を行うために実施しました。
前年度にあたる令和3年から愛媛県にて推進してきた「チーム愛媛」のDX。令和3年は、県と県・市町DX推進統括責任者による現状把握が行われ、これは「市町単位」での現状把握でした。
「市町単位」というのは、
〇〇市(町)のDXの推進は、どういった状態か。
〇〇市(町)のDX推進における進捗や課題は何か。
を愛媛県の20の市町ごとにヒアリングし、それぞれの「市」や「町」としての現状を把握するということです。
そして令和4年は、(市町によってスピード感や状況の差異はありますが)DXの推進が「実務レベル」での組織づくり、人づくり、業務構築・改善・推進という、「実行」のフェーズに移行してきました。
この「実行」フェーズにおいて必要としている支援は、「市町単位」ではなく「業務単位」での状況把握、課題抽出、助言・提案です。
この「業務単位」での現状把握のヒアリングを、私たちは「量と質を徹底期的に追求した」運営として、チームでのアプローチにて実施しました。
しかし、5名の専門官がそれぞれの市町に対して個別に対応をするとなると、連絡・調整が煩雑かつ膨大となり、更に、市町職員の方々の工数も膨れ上がります。
また、今回設定されたDXの専門分野5分野(デザイン、広報・マーケティング、システム・セキュリティ、データ利活用、官民共創)には密接に関わる近接領域も存在するため、合同でヒアリングを実施した方がより深くその分野に関してヒアリングできるという分野もあります。
この工数負担の効率化と、近接領域間の相乗効果を創り上げるため、デザイン分野と広報・マーケティング分野を合同チームに、システム・ セキュリティ分野とデータ利活用分野を合同チームに、そして官民共創分野チームの3チーム編成にし、5つの分野を3 つのチームに束ねることで、量と質を徹底的に追求して運営を行いました。
ミーティング形式
オンラインヒアリングは、1チーム2時間のオンラインミーティングの形式です。
2022年5月から8月までの期間で、20市町分の予定を確保し、20市町の担当者の方に希望日程を入力いただきました。
第三希望までの希望日程を登録いただき、なるべく各市町の初回ヒアリングを5〜6月中に終えられるように、そして、市町ごとの希望をお聞きし、早く開催したい・ゆっくり開催したいの要望に合わせたスケジューリングを行いました。(今思えば、このやり方はもっと改善ができますね(笑))
オンラインヒアリングの流れ
オンラインミーティングの中で、私自身がまず重要視するのは「空気」です。
対面で人と人がコミュニケーションする場合、相手の方の背丈や風貌、服装や姿勢など目視して得られる情報が多く、更に声の大きさやトーン、目線など、自分の五感をフルに活用して相手を知ることができます。
しかし、初対面かつオンラインの場合、得られれ情報が対面時より少なく、かつ「空気」を感じ難い点が一番の課題と考えます。
この課題解決をするのが「アイスブレイク」であり、目的は「空気を回す」ことです。
そんなアイスブレイクを行った上で、改めてヒアリングの目的や今後の支援内容についてのご説明をさせていただきました。
「一度話したからわかってるだろう」と、相手の理解を自分の勝手な想像で進めることが、信頼関係を損なう要因と考えているからです。
一つ一つ丁寧にお話をさせていただいた上で、事前に実施したアンケート結果を元に、専門官によるヒアリングが開始します。
ヒアリングでは、各専門官から様々な質問・コミュニケーションが行われます。
私は、このヒアリングを「一方的な現状把握」ではなく、「双方向コミュニケーションによる現状把握」と考えています。
人は、情報を得る事(インプット)と、情報を発信する事(アウトプット)の両面を行う事で、情報の精度を高め、課題の発見や実績の確信を手に入れると考えます。
そのため、専門官が質問をして情報を得ているのではなく、職員の方々が回答・発言することにより、ご自身の市町、課や係での現状を把握し、深く理解することによる価値を創出しました。
上記のような価値を創出するためにも、前述に記載の「空気づくり」の結果がこちらです。
※一部のオンラインヒアリングでの模様です
※途中から、人型文字の表現が流行りました(笑)
以上の前期オンラインヒアリングを経て、チーム愛媛のDX推進は、次の取り組み、リアルミーティング・サマーキャンプへと進んでいきます。
(続く)
執筆:チーム愛媛DX推進支援センター長 渡部久美子