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1年間のチーム愛媛のDXを振り返ります。


愛媛県・市町DX推進会議事務局の渡部です!

昨年8月から始動したnoteでは、これまでチーム愛媛のDXの取り組みをお伝えしてきましたが、早いもので令和4年度も最終日の3月31日。
ということで、1年間のチーム愛媛のDXの取り組みを振り返っていきたいと思います!

3月某日、愛媛県・市町DX推進会議事業の実績報告のため、市町や県のDX所属長や担当者が集まる全体会議をオンラインで開催しました。

(今年度は、全体会議を3回、ワーキンググループを6回開催しました!)

全体会議内では、各事業の報告を行いましたので、成果や所感をダイジェストで紹介します。

高度デジタル人材シェアリング事業

愛媛県内の20市町への前期・後期のオンランヒアリング、ライブ研修に加えて、「実」を作ることにこだわり、現状把握や関係づくりのため、現地訪問も交えて伴走支援を行いました。
※高度デジタル人材シェアリング事業についてはこちらをご参照ください。

各専門官からのコメント

山形専門官(システム・セキュリティ分野担当)
基本的なクラウド活用への関心が高かったことから、クラウド活用を起点としたネットワークに関するインプットを実施。その中で、情報セキュリティや制度的な課題が見えた。近隣自治体でのちょっとした情報交換で解決できることも、土壌が薄いと感じたことから、テスト的に主に人口5万人以下の市町をターゲットに、コミュニティ形成を図った。

前田専門官(デザイン思考・UI・UX分野担当)

ユーザー本位のDXという「デザイン×DX」両面の本質を伝えるため、複数市町に個別でワークショップ研修を実施。「デザインといえば装飾」といった部分的な解釈がなされがちだが、本質的な考え方を理解する必要がある。今年度の活動集を作成中だが、ある工夫のもと作成を進めているため、ユーザー目線とは何か、を感じてほしい。

下山専門官(データ利活用分野担当)
ワークショップ形式でのEBPM推進
データ利活用人材育成のモデル創出に取り組んだ。その中で、近隣自治体との連携や、ネットワーキングを意識。中予圏域で先行的に策定されていたガイドラインをベースに、国のデータ戦略やデータ標準化の流れも踏まえアップデートしたガイドライン案及びデータ作成マニュアル案を作成したので、今後の議論に役立ててほしい。

小田専門官(官民共創分野担当)
「官民共創」とは何か、どういったテーマに向いているのか伝えるところからであったが、秋頃からいくつかの市町で具体的なテーマが見え始めた。今年度ホットなトピックであったマイナンバーカード取得率向上施策や利活用事例集の形で報告書を作成する。個別の相談は事業性や独自性を求められるものが多く、横展開や情報開示が難しいが、事業化ののちに、他市町にも情報連携していくものと考える。

藤田専門官(広報・マーケテイング分野担当)
広報・マーケティング分野における「ターゲット、ペルソナ設定の重要性」を伝え続けてきた。複数市町で個別にこうしたワークショップを開催したが、日常の業務に生かす方法まで理解に落とし込めたかというと、まだまだである。また、前期ヒアリングの折、SNSアカウントの乱立、アカウント増加に伴う業務量増加、そもそものノウハウ不足という相談が目立ったことから、具体に相談を受けた市町のSNS媒体の整理、統廃合に着手し、現状把握や現状に合わせたネクストステップを定めることができた

デジタルデバイド対策事業

「オール愛媛」体制でデジタルデバイド対策に取り組み、支援を必要とする県民がいつでも相談できる場継続的な学びの機会を提供することで、県民の「デジタルリテラシー」を高め、デジタル活用の不安解消の支援に、積極的に取り組みました。

シニア世代を主なターゲットに、「愛顔のスマホ相談窓口」、「フォローアップ型スマホ教室」そして「地域コミュニティのデジタル化支援」という3つの取組みを進めながら、利用者の声を吸い上げ、県・市町でデータやナレッジの蓄積及び共有を図りました。

愛顔のスマホ相談窓口

県内300を超える郵便局の中から、100局の郵便局を選定し、個別相談が可能なオンライン窓口を設置。
日常のふとした疑問にお答えができるので、利用件数は、8月の運用開始から3月中旬で3,200件を超えました。

フォローアップ型スマホ教室

各市町1拠点ずつ、全3回にわたるステップアップ型講習により、受講者のレベルアップを図る教室として、9月から順次開催してきました。

教材を初回に配布し、各回のインターバル期間に自習を行っていただくことで、スキルの定着を図りました。

地域コミュニティのデジタル化支援

モデル団体として各市町1団体を選出し、団体の目標に合わせたデジタル活用に関する講習を受けながら、リーダーを中心に、団体のデジタル化、地域の自走化を目指しました。

ちなみに、こちらは推進会議からの後日談になりますが、10月に計4回の講習会を受講した伊予市の団体さん(メンバーは60歳以上の皆さん)は、講習会終了後も継続して自主活動を続けられ、先日、年度を締めくくられるべく、リーダーの方の発案で、閉校式を開かれました。

私もお声がけをいただき、伊予市の木下さん、講師の角田さんらと一緒に、オンラインで参加してきました!

リーダーの方からオンライン会議にご招待いただきました。
最後は「早春賦」で締めくくられました。

こうした住民の皆さんをみていると、「デジタルデバイド」は存在しないんじゃないか・・・と思えてくるほど、皆さん意欲を持って取り組んでおられます。

習うより慣れろ、と言いますが適切な機会を提供することデジタルを活用したサービスも、不慣れな方に配慮した形で提供することにより、「誰一人取り残さない社会」も実現していけるのではないか・・・と思いました。

また、こうした取り組みをデジタル活用に自信のない他の住民の方に知ってもらえることで、心のハードルを越える機会にしていただけるよう取り組んでいきたいと思います。

令和4年度の取組総括

さて、各事業の報告のあとには、菅原統括責任者から今年度の総括をいただきました。

  • 協働的な取組や、各市町の能動的な取組が増えた(協働的な取組や、各市町の能動的な取組が増えた)

  • 一方で、効率的な事業運営や、既存の市町連携の手法にとらわれないマインドチェンジが必要。

  • 来年度、県のデジタル総合戦略も最終年を迎えることから、次々年度への橋渡しが必要となるだろう。


新たな課題は日々生まれていきますが、いったん今年度も終了。
行政ならではの人事異動により、県・市町とも職員の入替があります。

こうして積み上げてきたものを無駄にせず、むしろ取組を一層本格化させ、「実装」への落とし込みを更に図っていくことが求められますので、歩みを止めることなく、進んでいければと思います。

執筆:愛媛県・市町DX推進会議事務局  渡部 友里

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