5人の専門官が20市町を巡る訪問支援
みなさん、こんにちは!
高度デジタル人材シェアリング業務 チーム愛媛DX推進支援センター
センター長の渡部久美子です。
前々回の記事では、高度デジタル人材シェアリング業務の「オンラインヒアリング」についてご紹介しましたが、今回はオフラインで行われる「訪問支援」についてお話ししたいと思います。
訪問支援の目的
訪問支援とは、本業務の具体の支援内容の1つです。
5名の専門官が20市町の現場へ足を運び、現場で働く職員の方々や関係者の方々と対話をすることで、現状把握を深掘りし、更に課題解決や事業推進における助言・提案をすることを目的に実施しています。
訪問支援の成果
現時点での成果として、2022年8月から訪問支援を開始し、2023年12月末時点で累計94回の訪問を行いました。
※1回=1人の専門官が1市町に訪問。2人が同時に1市町に訪問した場合は2回
市町単位で計測すると、1ヶ月平均9市町に訪問支援を実施しました。
この数字は、当初の業務設計時よりも遥かに多い回数です。
その理由は、本業務における「支援」を一方的かつ場当たり的な対応にするのではなく、対話を通して市町の方々と向き合い、そして、価値のある変革と事業推進を行うためにつくりだした成果と評価しています。
訪問支援先の調整
まずチーム愛媛DX推進支援センターが対応したことは、訪問支援先の調整です。
20の市町に対して5人の専門官全てが訪問できることは理想ですが、市町・専門官双方にとっての工数を考えると対応が難しい部分が多くあります。
また、DXの推進といっても、それぞれの市町ごとに注力している事業や分野が異なり、またその進捗も様々であるため、訪問支援を必要とする分野や時期が異なります。
そのため、センターでは市町に訪問希望のアンケートを展開しました。第一希望から第五希望、またその希望度合いと事業内容を集計しました。
集計結果を確認すると、全ての専門官に訪問希望の市町もあれば、そうでない市町、そして時期も様々であり、集計結果からもそれぞれの自治体において状況やDXの推進状況や課題の違いがある事を確認することができました。
このアンケート結果と専門官5名の予定、そして東西、南北それぞれ約160㎞ある地形をどのように移動するかを考えて訪問先の調整を行いました。
ポイントとしたことは、「チーム愛媛」での事業推進である事。
即ち、まずは、1市町あたり5名のうち2名以上が満遍なく訪問支援を行い、
訪問した専門官の情報を起点とし、他の専門官とセンターが連携する事で「チーム」としての支援を行う事でした。
この市町訪問の作業には非常に時間を要しました。
マルチタスク、かつDX業界で生え抜きの専門人材である専門官の予定確保と、市町の現場の方との調整。
各市町の議会の開催時期や、移動時間を加味したスケジューリングは、まだ信頼関係と呼べるほどの関係値ができていない中でしたので、
繊細にそして丁寧に行うことを意識したことで、更に工数を割いて対応を行いました。
今考えるともっと効率的なやり方や考え方があり、市町の希望に完全に沿う事ができなかった部分や、スケジュール調整において現場に負荷をかけてしまった部分もあるため、反省も多くあります。
結果としては、網羅的な市町訪問支援により、市町と専門官に信頼関係という関係値の基盤を作ることができました。
訪問支援時の議題
訪問支援時の議題は、様々ですが、大まかにまとめると以下に分類されます。
特定業務の担当者を交えた相談、助言・提案
研修やワークショップと掛け合わせた訪問支援
コミュニケーションをメインとした、ざっくばらんな意見交換
議題を敢えて決めつけず、柔軟にしている理由は、「市町本位」を掴み、実現するためにあります。
支援の粒度を高めていく過程において、まず何に力点を置くかを考え、まずは「市町本位」に力点をおくことにしたため、この設計を踏襲しました。
この事により「支援」という、「誰かが与えて、誰かが受け取る」といった一方通行の関係ではなく、「共に与え、探究し、創り上げる」という「共創」を前提とした訪問支援を行う事ができました。
訪問支援の様子
訪問支援の一例ですが、訪問時の様子をご紹介いたします!
訪問支援の過程は、まだまだ経過であり、改善と工夫と次のステージに上がる必要があることも現場として感じています。
次年度は、何を軸として対面でのコミュニケーションを行うのか、
またオンラインと現地とのハイブリッドの形式を活かし、どんな共創ができるかを検討しているところです。
執筆:チーム愛媛DX推進支援センター長 渡部久美子🌻